こんにちは、rin-whiskeyです。きちんとした最初のブログ記事は、みんな大好きサントリーウイスキー響の話題です。け、決してジャパニーズの話題で読んでもらおうとしているわけではないんだからねっっ(本当に違います)
サントリーブレンデッドウイスキー 響
サントリーが販売しているプレミアムブレンデッドウイスキーといえば、みなさんお馴染み『響』です。最初に、響の歴史について少し触れたいと思います。最初に響というウイスキーが発売されたのは1989年のことでした。最初に発売された当初は、熟成年数表記はないものの最低17年熟成という商品で、後にきちんと17年という熟成年数が表記されることになります。それ以来1994年に響21年、1998年に響30年が発売し、2009年に響12年が発売。長年響ブランドを支えてきた12年や17年は残念ながら現在は終売となっていますが、昔から響を飲んでいる人はこの4商品が馴染みがあって、また「響といえば」という問いには響17年が思い浮かぶのではないでしょうか。
私を含む最近(ここ6,7年でしょうか)ウイスキーを好きになった人からすると、響17年や響12年は幻のポケモンですね。現在のラインナップは
- 響 JAPANESE HARMONY
- 響 BLENDER’S CHOICE
- 響21年
- 響30年
の4つです。我々が馴染みがあるとは言っても21年と30年は蒸留所にしかないので、ハナダのどうくつにいるミュウツーのような存在でしょうか。冗談はさておき、一番見かける響といえば、定価が一番安く(また出荷数も一番多いと思われる)JAPANESE HARMONYだと思います。JAPANESE HARMONYは2015年に響12年が終売となり、それに代わる形で発売された商品です。ネット市場を見てもかなりプレミアムな価格で取引されており、その人気が伺えます。まだ見かける響シリーズの片割れの子はBLENDER’S CHOICEですが、いまいち人気がないイメージです。
さて、今回のテーマはこの響BLENDER’S CHOICEです。
響 BLENDER’S CHOICEについて
響BLENDER’S CHOICEという商品は2018年に発売した商品で、響17年が終売になる代わりに発売した商品です。私はこの発売当時ウイスキーを飲んでいなかったので当時の状況はわかりませんが、発売後から長くBLENDER’S CHOICEという商品は不人気でした。数年前から今に至るまで、JAPANESE HARMONYは売っているのを見かけることはなく、プレミアム価格で取引されている状況でした。一方で、BLENDER’S CHOICEはビックカメラへ行けば大体いつでも手に入るという真逆の状況でした。このジャパニーズウイスキー人気の中、いくら人気がない響とはいえ売れ残るのは不思議だなと思っていたのですが、現在はBLENDER’S CHOICEも無事品薄メンバーへとランクアップしているようです。
BLENDER’S CHOICEは不人気だった過去があるわけですが、BLENDER’S CHOICEにいいイメージがない(=ネガティブな感想を持つ人+特になんとも思わない人)人の感想として、決して美味しくないわけではない、むしろ美味しい、という感想の人が多数います。そんな中で不人気だった理由は2つあると私は考えています。
1つ目の理由は、不人気がゆえに不人気であるということです。当初飲食店限定商品として発売されたBLENDER’S CHOICEは、飲食店限定というプレミアム感があり、もちろんネットではプレミアム価格で取引されていました。しかし何の理由があってか、飲食店限定だったBLENDER’S CHOICEは市場に流れてビックカメラに辿り着いたわけです。市場での品薄・プレミアムであるということを理由に商品を買う層(転売ヤーとかがそうですね)からすると、いつでも買える商品は美味しい・美味しくないに関係なく買わないのです。そしてそれによりまた購入されないといった負のスパイラルに陥っていくというわけです。
またもう1つ不人気の理由として以前から言われている点ですが、2つ目の理由はBLENDER’S CHOICEの味が「響っぽくない」という点です。「響っぽい味」とはつまり最初期の商品である金キャップの響の時代から一貫して受け継がれているあの味です(不親切)。でも飲んでみると、言わんとしていることはわかるかと思います(投げやり)。
真面目に書くと私なりに思っている響っぽい味とは、一言で言うと滑らかなウッディさです。その味を生み出している元となる原酒は長期熟成のミズナラ樽原酒だと個人的には考えています。ジャパニーズウイスキー独自のミズナラ樽原酒由来の強めに樽が効いている香味こそ、響らしさなのではないかなと思っています。
ここでBCの中身に触れたいと思います。商品説明を見ると
多種多様な樽で熟成を深めた幅広い酒齢の原酒を厳選し、匠の技で繊細なブレンドを重ねました。奥深く甘やかな味わいと、華やかでやわらかい香り。ワイン樽後熟原酒を加えることで生まれた、珠玉のハーモニーをご堪能いただけます。
響 ブランドサイト
と書いてあります。BLENDER’S CHOICEの特徴はワイン樽原酒が使われていることです。他のサントリーのラインナップでいうと山崎NAに使われています。これは私の推測ですが、響17年を終売にして響BLENDER’S CHOICEに切り替えた理由は、響17年の味、つまり響っぽい味の元となっている長熟ミズナラ原酒の不足であると思います。当時は(今もですが)貴重なミズナラ樽原酒を確保できず、響っぽい味を捨ててリニューアルせざるを得ない状況だったのでしょう。
ですが、サントリーはこのような状況になることを数年前から予想していたはずです。そのためか、サントリーは2013年に限定商品として実験的な2種類の響を発売していました。それが「響 MELLOW HARMONY」「響 DEEP HARMONY」です。今回はそのうちDEEP HARMONYに触れたいと思います。
響 DEEP HARMONY
以下、サントリー公式の商品説明になります
サントリーウイスキー「響17年」の甘く華やかな香味をベースに、赤ワインの空樽で十分に熟成させた稀少な「白州モルト」原酒とシェリー樽で長期熟成させた「知多グレーン」原酒をブレンドした「響 DEEP HARMONY」を数量限定でお届けします。
メーカー資料より
ベリー系のドライフルーツやジャムのような、濃厚な味わいと豊かな余韻をご堪能いただけます。
このDEEP HARMONYは響17年の香味をベースにしていると記載のあるように、響らしいウッディさと香木感がベースにあります。それに加えて赤ワイン樽の白州原酒が使われていることによる、それ由来のベリー系フルーツの香味が綺麗に載っています。味の構成としてはこの2本立てです。初めて飲んだ時、BCのやりたいことはこれだったのか!と感動しました。
DEEP HARMONYは響17年をベースにしている以上構成原酒の平均熟成年数は長いでしょうし、限定品ならではの長期熟成原酒も使われている可能性もあって、通年商品のBLENDER’S CHOICEと比べるのは分が悪いところです。BLENDER’S CHOICEは長期熟成ミズナラ樽原酒の量が(恐らく)減っているため、響シリーズにも関わらず「響っぽい味」がしないわけですが、DEEP HARMONYのもうひとつの味の柱であるベリー感は健在です。BLENDER’S CHOICEに使われているワイン樽後熟原酒がどのような原酒かはわかりませんが、DEEP HARMONYで実験した味わいはしっかりと今の商品に生きていますね。
つまりタイトルの『響 BLENDER’S CHOICE』とは何なのか、という問いに対する答えは、『響の過去の限定品の、現状できる最大限の復刻版』ということです。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。では次回は『サントリーウイスキー 100周年記念 響 Anniversary Blendとは一体なんなのかを考える』でお会いしましょう。(嘘)
余談
今回紹介した響の限定商品はDEEP HARMONYですが、MELLOW HARMONYの商品説明は以下の通りです。
「響17年」をベースに、30年を超える希少な超長期熟成の「山崎モルト原酒」や「知多グレーン原酒」などをブレンドしました。商品名の「MELLOW」は、なめらかな口当たりと穏やかな蜜を想わせる芳醇な味わいを、「HARMONY」は「響」ブランドの特長である調和を表現しています。
ニュースリリース No.11881
そしてサントリー100周年記念の響の商品説明は以下の通りです。
酒齢17年以上の個性豊かな原酒を厳選。
ブランドサイト
さらに、酒齢30年を超える山崎ミズナラ樽モルト原酒、円熟の知多グレーン原酒を加えて丁寧にブレンドしました。
「響」ならではの華やかな香味に、しっかりとした熟成感や複雑さをプラス。
100周年にふさわしい香りと味わいが感じられる特別なブレンドです。
ほぼ同じですね。どっちも飲んで考えてみないと… MELLOW HARMONYもDEEP HARMONYも本当に見かけないんですよね…
またさらに余談ですが、DEEP HARMONYで使用が明言されているのは、あくまで白州蒸溜所のワイン樽なんですよね。山崎蒸溜所のワイン樽原酒は蒸溜所で飲むことができるので経験したことがありますが、白州蒸溜所のワイン樽原酒って聞いたことがなくて飲んでみたいですね。過去Owner’s Caskやらのシングルカスクをリリースしていた時代ってワイン樽なんてほとんど使ってなさそう(偏見)なのでリリースがないのも不思議ではありませんが。
ではまた。
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